人がシェアするかどうかを判断する基準はコンテンツの良し悪しだけではない

 

人がシェアするかどうかを判断する基準はコンテンツの良し悪しだけではない。コンテンツとそれをシェアする個人、さらにそれらを取り巻く周囲の人々をも含めた関係性が大きく影響するということだ。

別の調査によると、SNSで人々が話す内容の半分は「自分」に関するものだという。

だとすれば読者の話題に入り込むためには、彼らの自己表現を何らかの形で手助けできるコンテンツが重要になりそうだ。

新聞や雑誌のようなマスメディアであれば、一定の読者にコンテンツを届けるための流通手段がすでに出来上がっている。しかしネットのメディアではコンテンツの発信者自らがそれを作り上げなくてはならない。
コンテンツのシェアを促す要因として、コンテンツとそれをシェアする個人、さらにそれらを取り巻く周囲の人々をも含めた関係性が大きく影響する。

このように複数の要素が複雑にからみ合ってくると、シェアされるコンテンツをロジカルに導き出すことは難しい。

しかし、だからこそ複雑なからみ合いの中から、今の空気の中でウケそうなコンテンツを見抜く洞察力が必要になる。これはネットか紙媒体かを問わず、コンテンツの発信者に求められるスキルだといえるだろう。

 

 

 

6か条の最重要項目、コンテンツのシェアを促すシェアをしやすくする仕組みとは?

 


6か条の最重要項目、コンテンツのシェアを促すシェアをしやすくする仕組みとは?

シェアされやすいコンテンツとは、必ずしも質が高い必要はないが、人々が思わずシェアしたくなるような要素を備えている必要があるという。それが「シェアをしやすくする仕組み」を備えたコンテンツだ。

それでは人々がSNSでコンテンツをシェアする際、そこにはどのような動機があるのだろうか?
そこには 5つの要素があるという。
アンケートから読み取ると、
1.役に立つから
情報に価値があり、面白いからというのがコンテンツをシェアする一番の理由。94%の回答者が、受け手にとって情報が有益かどうかを考えてから情報をシェアすると答えている。

2.他人から見た自分を定義するため
68%の回答者が、自分が他人に思われたい自分を形成できるかどうかを考えてシェアしていると答えている。他人から見られたい自分に有利な情報のみシェアするということになる。

3.関係性を維持あるいは深めるため
78%の回答者が、知人との関係性を維持するために情報をシェアすると答えている。

4.自分の存在を示すため
69%の回答者が、情報をシェアすることにより、自分が世界に属していることを実感できると答えている。シェアした情報にコメントをもらったり、さらにシェアしてもらったりすると自分が貴重な存在であると認められたような気がすると答えている。

5.自分の主張や好きなブランドを示すため
84%の回答者が、自分の主義主張を示すために情報をシェアすると答えている。


コンテンツのシェアという行為の裏側には、情報の共有という直接的な動機だけでなく、「他人からクールで賢くみられたい」「自分がこういう考えの人間だとアピールしたい」といった個人のエゴが潜んでいることが改めて分かる調査結果だ。

 

 

さらに同資料では、コンテンツをシェアする人物像を6つのタイプに分類している。

こちらもシェアを促す施策づくりの参考になるだろう。
1.利他主義
「栄養や健康に関する記事を友達に送ります。感謝のメールが返ってくると嬉しくなります」。

2.出世主義者
「ビジネスに関する情報をシェアします。顧客に提供する価値を改善するためのアイデアについて意見を交わし合うこともあります」。

3.進んでいる人
「最新の情報をシェアするのは生活の一部です。先進的でクリエイティブに見られたいと思います」。

4.ブーメラン型
「議論を呼ぶような情報をシェアします。挑発的に見られたいと思うし、もし反応が無かったら残念に思います」。

5.コネクター型
「ホテルのバーの優待券をもらったので、それを沢山の友達に転送して女子会を開催しました。こんな風に人々を結びつけるのが得意です」。

6.選択型
「その情報によって喜ぶ特定の誰かが思い浮かんだ時にだけ情報をシェアします」。

 

SNS関連の4か条の考え方はこうだ。

 


SNS関連の4か条の考え方はこうだ。


1つ目の「シェアをしやすくする仕組み」では、よりシェアされやすいコンテンツを作るための考え方を説明。

次の「ファンとインフルエンサー」では、さらにシェアを加速させるために、ファンのような協力者を増やすほか、インフルエンサーの力を借りる重要性を説いている。

3つ目の「ヒーロー的なブランド」は、コンテンツの投稿者自身の価値をさらに高めることによって、シェアを促す考えだ。この段階になると、人々がシェアする理由は「コンテンツが面白いから」だけでなく、「誰々のコンテンツだから」という場合も出てくる。

SNS関連として最後の「ソーシャル上での評判」では、上記までの活動によって得られたソーシャル上での信用や権威を活用する方法について触れている。

シェアの原動力は人間の感情だ。SEOのように機械的な仕組みではない。だからシェアされやすいコンテンツを作るには、コンテンツに触れた人間の心理をある程度理解する必要がある。


6か条にたどり着いた経緯


オリジナルで質が高いと確信する記事が読まれない。その理由が分からず頭を抱えていたあるブロガー氏は、2010年に著名なソーシャルマーケターが書いたブログ記事を読んで衝撃を受けることになる。

件のブロガー氏は、以下のようなわずか数行の文章でバイラルを起こしたのだ。

 「プレゼンをするときは、観衆のほうを向いて話すべきだ。スライドに目をやったり読み上げたり、内容を説明する必要はない。スライドを読むだけなら自分でできる」

なぜこのような短い文章で拡散に成功したのか?まだ自分が気づいていない、何か拡散を促す秘訣があるのではないか?このような疑問と向き合った彼は、最終的に次のような結論にたどり着いた。

質の高いコンテンツを作ることは、あくまで出発点に過ぎない。
作ったコンテンツがSNSでのシェアやSEOなどを通じて広まった結果、自身に協力してくれるファンが増える、さらには自分の名前にブランド力がつくことなどによって、はじめて成果につなげることができる。

そのためのノウハウとして、6か条を「Content Code」(コンテンツの約束事)としてまとめた。

先に紹介したブロガー氏の記事が拡散された要因は、3つ目にある「ヒーロー的なブランド」だ。

ソーシャルメディアに関する書籍やコンサルティングなどによって、当時すでに広く名が知られていた同氏は、自身のパーソナルブランドを確立していた。そのため「同氏のコンテンツだから」というだけで価値を感じてくれる読者が多くいたのだ。

彼ほどのブランド力があれば、もはや「自動でシェアされる」に近い状態になる。しかしそこまでの知名度やブランドがない状態で、コンテンツを拡散してもらうためには、それ相応のメリットを提供しなくてはならない。

そのための第一歩となるノウハウが、1つ目に挙げた「シェアをしやすくする仕組み」だ。

 

シェアを促すために押さえるべき人間心理

【シェアを促すために押さえるべき人間心理】

良いコンテンツを作っただけでは意味がない。戦略的に広めることでマーケティングゴールの達成に貢献できる。
インターネットが登場したことで、誰もが情報を発信できる時代になったとよくいわれる。けれども発信した情報を多くの読者に届けられる人は少ない。個人や会社でブログを始めたものの、全く反応がないままやめてしまった経験を持つ人も少なくないだろう。

ネットでの情報発信にありがちなこうした失敗の原因は何なのか?もちろんコンテンツが面白ければ、より多くの人に読まれやすくはなる。しかしコンテンツが面白ければ必ず広がるというわけでもない。
コンテンツ拡散ノウハウをまとめた6か条


コンテンツは、それ自体に価値があるように思いがちだが、多くの人に語られ、話題になることで、はじめて価値が生まれるという考えだ。

とはいえコンテンツを広める努力が必要だという主張は、当たり前の話だ。すでに関心の高いトピックだから、SNSでのシェアやSEOに関するノウハウ情報は無数にある。
そこで、コンテンツを広めるにあたって必要な要素を6か条にまとめると。
1.シェアをしやすくする仕組み
2.ファンとインフルエンサー
3.ヒーロー的なブランド
4.ソーシャル上での評判
5.広告・プロモーション・SEO
6.コンテンツのオーソリティ
この6か条にはSNSでの拡散とSEOのノウハウの両方が含まれている。1~4がSNS関連、5~6がSEO関連だ。最も重視する手段はSNS